維新の会は大阪で発生した大衆運動である。
それは決して新しい現象などではない。過去に繰り返されてきた近代特有の病である。
維新は嘘とデマにより大衆を騙すことにより拡大してきた。吉村洋文や馬場伸幸ら維新の構成員がこれまで垂れ流してきた「私立高校の完全無償化を実現した」というのも完全な嘘、デマである。吉村は、昔の大阪市は大赤字でそれを立て直したのが維新市政だったという趣旨の発言も繰り返してきたが、これも大嘘。大阪市のホームページには二一年度一般会計決算について、《平成元年度以降三三年連続の黒字となりました》とある。二二年の参院選の政見放送で松井一郎は大阪の私立高校の入学金が無償である旨の発言をしたが、これも完全なデマだった。
要するに維新は、デマゴーグの集団、詐欺師の集団、反社会勢力である。これは批判でも悪口でもない。客観的事実だ。先日、某所で維新の信者に遭遇したが、何をいっても暖簾に腕押し。「だったら自民党時代に大阪を戻すのか」「事実、維新により大阪はよくなってきたんだ」と繰り返すだけ。
知的・社会的に正常な人間までもが、なぜ維新に騙されたのか?
大衆は前近代的な社会的束縛を失い、根無し草のように社会から分離して浮遊し、自己欺瞞と逃避を続け、自分たちを温かく包み込んでくれる「世界観」、正しい道に導いてくれる強力なリーダーを求めるようになる。
つまり「縛られたい」という大衆の願望、そしてその欲求に応える政治。その両方があって全体主義は発生する。大阪ではすでに一線を越えてしまった。白昼堂々、いかがわしい勢力に、政令指定都市である大阪市の財源が狙われたのである。
二〇二三年四月の統一地方選で、馬場伸幸を共同代表に据えた維新は大勝し、同じく共同代表の吉村洋文も府知事に再選された。
こうした中、橋下は二〇二三年五月六日、自身がパーソナリティをつとめるネット番組『NewsBAR橋下』に元宮崎県知事の東国原英夫を招き、この状況を意気揚々と語っている。
維新の狙いは、国政において自民党に失望している層の受け皿になることだろう。
自民党がダメだから維新を選ぶというのは愚の骨頂である。
それを示すために、本書では参考になる「事実」を採り上げた。
なお、本書は私が口述したものに、追加で赤字・修正を入れた。肩書は当時のもの、敬称は省略させていただいた。
