
現在は「バカが尊重される世の中」である。なぜこんなことになってしまったのか? 近代大衆社会の病について深く洞察し、民主主義・人権主義の偽善について警鐘ならしつづけてきた評論家・呉智英と、大衆社会の病理を観察し続ける作家・適菜収が、社会、宗教、政治、歴史、文化など多岐にわたる論点から、その原因について徹底討論する。
この三十年間を見渡したときに、一貫して正しいことを述べてきたのは、ほとんど呉智英だけではないか。一貫して正しいことを言うためには、知識以前に教養が必要になる。教養とは、「判断の基準をどこに見出すか」「価値に対する態度」である。呉先生の主張を無理を承知で一言でまとめれば、「知は尊重されるべきだ」ということだと思う。そして現在は「バカが尊重される世の中」である。どうしてこんなことになってしまったのか? 本書では、社会、宗教、政治、歴史、文化など多岐にわたる論点から、その原因について考えた。――適菜収(「はじめに」より)